オーダーメイドの結婚指輪・マリッジリングの彫金日誌です。archive-diary-php
以前は宝飾品全般のリフォーム・オーダーメイドなどを受けていましたが、現在はマリッジリングのオーダーが忙しく、マリッジ以外の仕事はほとんど受けていません。しかし、以前からのお得意様やその紹介の方に限ってリフォームなどを受けています。今回もそんなお客様からのご依頼です。兵庫県からのご依頼でインターネットを通さずデザイン画を郵送したりしてデザインを決定いたしました。
0.6ctのダイヤモンド立て爪指輪のリフォームです。ダイヤは大きくてキレイなのですがデザインが少し古く、今風で少し豪華なデザインにしたいとのご要望です。
地金をたたき出して作ることも出来ますが今回はワックスで原型を作ることにしました。まず、チューブワックスを削って指輪の土台を作ります。
少しひねりのある柔らかなラインにする予定です。
0.6ctのダイヤモンドを留めるための石座(シャトンとも言います。)預かっている物は爪も大きく高さがありますが、新しいデザインは爪を小さく低めの石座にします。
こちらもワックスを削って作ります。ダイヤを乗せてセッティングのチェックです。この石座部分は地金を削って作ろうか迷いましたがこちらもワックスで鋳造することにしました。
ツリーを作って鋳造の準備をします。リングの部分と石座を別々に鋳造して地金にしてからくっつける方法を選択してのワックスツリーです。パーツ分けすることで細かい部分まで仕上げの手が入るのでキレイに仕上げられます。
こちらは立て爪リングのサイドに付けるメレーダイヤの石座です。サイドのメレーにしてはチョット大きく、1個0.1ctの大きさのダイヤを留める石座です。
ここまで作業をして明日は鋳造です。全部地金に仕上げてからパーツを組み立てていきます。明日は朝一からホワイトゴールド1缶と、プラチナが1缶を鋳造予定です。
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今回ご注文いただきましたお二人のマリッジリングはお互いのイニシャルをリングにデザインし、合わせるとハートモチーフが浮き出すという物です。ご来店されたときに当店の掲載されている情報誌を持参いただきそこで紹介されていた当店のデザイン案を見てイメージを固めていらっしゃったご様子でした。彼女のリングには彼のイニシャル「N」、彼のリングには彼女のイニシャル「M」をお互いに入れ合うようにデザインし、合わせるとハートモチーフが浮かび上がります。リングはそれぞれピンクダイヤ、シーブルーダイヤを星留めにし、メルヘンチックに仕上げました。
サイドにはアラベスクの彫刻を施してあります。半周ほどつや消し仕上げにし、その上に彫刻してあるので唐草模様がキラキラ引き立っていてとてもキレイに仕上がりました。
ワックスの原型を作ったときの写真ですが原型の段階でお互いの指輪がピッタリと合わさるように作ってあります。ワックスは柔らかくてピンセットでチョット押さえただけでもキズが入ります。この段階の作業はとても神経を使います。しかし、ここでキレイに仕上げておかないと地金になったときに非常に手間が掛かります。効率よく仕上げるために、ここでの作業は手を抜けません。
このリングのようにお二人で愛を育んでいけるように私どももお祈りしております。
末永くお幸せに!
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ブライダル情報の発信には2社の出版社の情報誌に掲載しています。その一つはキャベツ畑ウェディングと言う情報誌なのですが、この度大幅にリニューアルして出版するそうです。誌面作りは出版社の方にお願いして作ってもらえるのですが、当店では私がイラストレータなどのドローソフトを使って作ったりすることもあります。自分の好きなように構成出来るので時間があるときは自分で作ってそのデータを誌面にしてもらっています。かなりソフトのこと、誌面を構成する際の決まり事、ファイル形式などを熟知しないと出来ませんが昔から何でも自分ですることが大好きなので楽しんでやっています。
指輪などの写真は私が全て撮影して誌面に載せたり、ホームページで使ったりしています。プロに頼むと1カット何万円?かすると思うのですが最近ではデジタルカメラの性能が上がり、ある程度工夫して撮影すればプロ並みの写真が撮れるようになると思います。ジュエリーのような反射物で小さい物はかなり撮影にコツがいりますが慣れればうまく撮れるようになります。私も何万枚も練習撮影して何とかキレイな写真が撮れるようになったと思います。このカメラは私が愛用しているNIKONのD50と言うデジタルカメラです。昔のように現像するまでどんな写真になったか解らないと言ったことが無く、その場で写真を確認できるので本当に重宝する物です。
このカメラは一眼レフなのでレンズ部分は交換して色々なレンズを付けることが出来ます。私の使っているレンズはNIKONの物ではなく、SIGMAと言うメーカー製レンズを使用しています。
このカメラを使って小さいジュエリーでも結構美しく撮っているつもりです。
ほんとのプロの方が見れば「まだまだだな・・。」と鼻で笑われるかもしれませんが(^^;)
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今回ご注文いただいたお二人はとっても親しみやすい優しそうなお二人でした。色々お店を廻られてマリッジリングをご覧になったそうですが「どのブランドも良く似たものばかりでどれが良いのかわからない。」と言った印象を受け、当店の存在をブライダル情報誌で知り、ご来店いただきました。
とても個性的なデザインで合わせると大きなハートが浮かび上がります。レディスに埋め込まれたダイヤは全てシーブルーダイヤという淡い水色をしたダイヤモンドです。白のダイヤより存在感があり、普通のブルーダイヤよりキラキラした感じなので全部シーブルーダイヤにしてもスマートな印象を受けます。
こんな感じで彫り留めをしました。ダイヤのフチ取りをキレイに見えるように彫っていきます。
前回、ご紹介した当店のオリジナルマリッジリングですが、もう1モデルの写真が出来たのでアップします。
こちらのデザインは当店のマリッジリングの中でも定評のあるシンプルな形をベースにレディスにピンクダイヤと、ホワイトダイヤをライン留めにしてチョットだけ華やかな感じに仕上げました。メンズはダイヤの変わりに手彫りで彫刻を施したカジュアルな感じです。本日からオリジナルマリッジリングO2販売ページでもお買い求め頂けるようになりましたので是非ご覧下さい。
【お知らせ】
誠に勝手ながら、昨今の地金の高騰により販売価格の見直しをし、価格改正を致しましたのでお知らせいたします。なにとぞご了承下さいますようお願いいたします。
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以前よりご注文いただいておりましたマリッジリングですが、何組かを同時進行で進めていたのでまとめて仕上げました。日数的に余裕のあった方も、なかった方もお待たせいたしました。それぞれご連絡を入れて受け渡しの準備を進めています。
県外のお客様は宅配便等で送らせていただいております。県内のお客様はこれから受け取りに来られる予定です。少し一段落いたしました。でもまだご注文があるので頑張らなければいけません。
以前このブログでご紹介いたしました5mm幅リング用のサイズゲージリングをシルバーで鋳造しました。シルバーは鋳造時の温度さえ気をつければキレイに鋳型に流れてくれます。鋳造直後の鋳肌はグレーなのですが酸処理して白くなった写真です。
上の写真はキサゲ作業まで終わったところです。
話は変わりますが年末に向けて当店オリジナルマリッジリングの新作を作りました。オーダーメイドが忙しかったのでなかなか新作が作れなかったのですが、そろそろ新作を出さないといけないと思っていたので忙しい合間を縫って作業を進めていました。2モデル作ったのですがその一つが下の写真です。
モデル名は「Spur」です。シュプールと読みます。冬の定番のスポーツであるスキーをモチーフにしてデザインいたしました。サイドには雪の結晶の彫刻を施して冬のロマンチックさを演出しています。レディスには8個のダイヤモンドを彫り留めしています。その内の1個はアイスブルーダイヤという薄い水色のダイヤモンドを彫り留めしています。普通のブルーダイヤに比べて淡いブルーなのでこのリングのイメージにとてもマッチしていると思います。近々ホームページのO2オリジナルマリッジリング内にアップいたしますのでホームページ上からの購入も可能になります。もう一つのモデルは後日ご紹介します。お楽しみにお待ち下さい。
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今回完成いたしました結婚指輪は、合わせるとクジラが浮き出るリングです。ご主人様がクジラが大好きでどうしてもクジラをリングに取り入れたいとのことでデザインを考えました。2頭を入れるか1頭にするか迷われたのですが彼女の方は細身でシンプルなリングがご希望だったので、1頭のクジラといたしました。レディスの方はクジラの鼻先部分のシンプルな模様で、ダイヤと誕生石のアメジストを埋め込んでいます。
重ね合わすと1頭のクジラが浮かび上がります。クジラ部分をつや消しにしてモチーフを強調しました。メンズの方が幅を広くして力強いイメージにしています。
今回のクジラのモチーフは一般的な鼻先の丸いクジラと違って、鼻先の尖っているザトウクジラがモチーフになっています。こちらもご主人様のクジラの拘りです。
レディスの石留めの様子をご紹介します。ダイヤの配列部分にドリルで下穴を開けていきます。
下穴のフチをタガネでラインを彫ります。このフチのラインの善し悪しでダイヤの留めがキレイに見えるかどうかが決まってきますので気を抜かずに彫っていきます。
ある程度まで仕上げて、ダイヤを留める前のペアでの2ショットです。
5個の石が留まりますが全てダイヤではなくて、真ん中の1個だけ誕生石のアメジストにしています。
お二人とも誕生月が同じなのでご主人様のリングにも内側にアメジストを埋め込みました。
とても上品で感じの良いお二人でした。お渡しした際に大変喜んでいただき、こちらも大変うれしく思いました。ありがとうございました。
末永くお幸せに!
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今回完成いたしましたのは、かなり凝ったデザインのペガサスとユニコーンがモチーフになったマリッジリングです。ブライダル情報誌を見て、当店のホームページをご覧になり、お住まいがお隣の香川県と言うことですのでメール・電話でご相談を進めてまいりました。6月に初めてご相談いただいたのですが10月完成でも構わないとのことでしたのでデザイン等を何度か手直しをし、ご納得いった上での製作となりました。このデザインはお二人にとってとても意味のあるモチーフで、カジュアルですがとてもメルヘンチックなイメージがします。
こちらが決定したデザイン画です。レディス、メンズともに同じデザインのようですがメンズのみ角があるユニコーンのデザインになっています。互いに合わせると羽の付け根の部分が繋がるようにデザインしました。
ワックスの原型です。ゴム型をとって複製すれば簡単なようですが角の有無が違うため、ジュエリーCADにてサイズ違いの角有り、角無しを作りました。角の部分以外は全く同じデザインのため、手作業で全く同じ細かい原型を作るのは不可能です。しかし、当店のジュエリーCADを使った方法なら可能なのです。(^^)v
プラチナで鋳造した直後の写真です。巣もなくキレイな仕上がりです。この後研磨して仕上げていくのですが細かいデザインで入り組んだところが有ると研磨にかなり時間が掛かります。
デザイン画のように互いに合わせて羽の部分が繋がるようになるか確認です。キレイに繋がっています。
上の角のない物がレディスで、下の角のあるのがメンズです。羽の部分にタガネでテクスチャーを入れています。写真では解りませんがこのテクスチャーがキラキラしてとてもキレイです。
角以外は全く同じです。全く同じ細かい原型を作るのは非常に難しいのでCADが無ければ当店でも断っていたかもしれません。CADを使っていて本当に良かったと思いました。
本日お客様の手元に到着したようでお礼のメールを頂きました。遠方にもかかわらずご注文いただいて本当に感謝いたします。仕上がりにも満足していただけて安心いたしました。注文する側にもかかわらず、とても丁寧に対応してくださってとても感じの良い方でした。
末永くお幸せに!
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今回オーダーいただいたお客様はクローバーが浮き出すデザインが基本にありました。その上で何か二人だけのモチーフにしたいという事で他のお客様のオーダー作品などを見ながら色々思案して、イニシャルをクローバーに盛り込んだデザインが良いと言うことに決まりました。
イニシャルを入れてなおかつクローバーを出すデザインは少し難しかったですが店頭でお客様と一緒に考えて行きました。レディスにはご主人様の頭文字Eを羽の形にアレンジしています。メンズは彼女のHを入れました。見事に合わせるとクローバーの浮き出すデザインが出来上がりました。
この結婚指輪の製造工程を少しご紹介します。ワックス作業はかなり細かい物でマイクロスコープを通して作業を進めます。
ワックスはロウソクのロウのような柔らかい素材で力の入れ具合が難しく、すぐに削りすぎたり、面が傷だらけになってしまいます。ワックスを削るスパチュラという工具も、針の先のような細かい物を自作して使っています。
かなりキレイな鋳肌で鋳造が出来上がりました。巣などもほとんど無くキレイな状態です。巣が出来ると仕上げ等の作業に手間が掛かるので慎重に鋳造しました。細かいレリーフなのでチョットした巣なども命取りになる場合があります。
光沢仕上げする少し前の段階です。合わせるとクローバーがキレイに浮き上がります。この後、レディースのハートの部分にはピンクダイヤが入ります。
キレイに仕上がりました。細かいレリーフだと入り組んだ箇所を光沢仕上げにするのにもテクニックと手間が掛かります。
レディスに入ったイニシャルEで出来た羽が、天使の羽の様でキレイなラインが出ています。
内側にはレーザーで二人だけの証、「Only one」 の文字が入ります。本日無事お渡しいたしました。
末永くお幸せに!
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