オーダーメイドの結婚指輪・マリッジリングの彫金日誌です。taxonomy-blogu-php
お母様から譲り受けたプラチナの指輪を使ってマリッジリングを制作する依頼を受けました。
制作する指輪はシンプルなリングにハワイアンの彫刻を入れたデザインです。
当店まで送っていただいた指輪は5本有り、重さを計ってどの位の幅のリングが出来るか体積から導きました。
小さいダイヤモンドが沢山埋め込まれた指輪も含め、ダイヤは全て外してお返しする予定です。
指輪は全てPT900だと言うことを確認して溶解し、一塊のプラチナ地金にしました。その後鍛冶屋のごとく金槌で叩き延ばし、ローラーで延ばして指輪のサイズと同じ長さの板にします。
レディスは5mm幅の指輪、メンズは6mmの幅にし、指定されたサイズ分の長さになるように延ばします。
板状のプラチナを指輪のように丸めて共付けです。
プラチナの共付けで使うピンセットは耐熱タイプの物でかなりの高温でも大丈夫な金属です。たぶん素材はタングステンだと思うのですが・・・違うでしょうか?
カーブの浅い甲丸形に成形してピカピカに磨きます。今回のハワイアンマリッジリングはエッジ部分にプレーンなラインをエッジとして残したデザインにします。その為、エッジのラインどおり、毛彫りタガネでラインを彫っていきます。
本日はここまでの作業をご紹介しましたが、残された作業はハワイアン彫刻を施すのみです。
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こんにちは
先日、父の知り合いからダイヤリングのリフォームを頼まれました。
シンプルな造りと、細かいパーツの組み合わせの為、キャストは使用せず全て手作りで制作することにしました。
その行程を、少しご紹介したいと思います。
まず、デザイン画ですが、このようなペンダントのトップを制作します。
リフォームのためにお預かりした指輪はこの2本です。すでにダイヤははずした状態で撮影しています。この2つのダイヤを使ってペンダントトップにするわけです。
それぞれのダイヤの大きさに合わせて石座を作っていきます。プラチナで細長い板状の物を造りその板を丸めて溶接します。接合部はローを使用せず、レーザーで共付けにします。
共付けにする理由はこの後で爪をロー付けしていくときにローが引けてしまわないようにするためです。
石座に爪を付けます。爪を付けた段階でへらがけまで済ましておきます。間に丸カンをいれて石座が揺れるように作っていきます。
同時にネックレスを通すための金具も作っていきます。この金具もプラチナの板を曲げて作ります。接合部は当然レーザー溶接による共付けです。
出来た金具にダイヤを石留めしていきます。ダイヤの位置に正確に穴を空けます。石留めはタガネで彫って留めていきます。
メインのダイヤ2連部分のダイヤも爪で留めておきます。ダイヤが留まった後、ヤニ台からパーツをはずすのはいつも苦労します。なぜならヤニは火であぶって柔らかくするのですが、ダイヤに火があたらないようにあぶらなければならないからです。
私の場合は水を染みこませた人工石綿を、ダイヤに被せて周りをあぶります。
ダイヤの部分とネックレスを通す金具、それぞれが出来上がりました。
この2つのパーツを繋いで完成ですが、最後のレーザー溶接です。
写真の赤丸部分は溶接されてなく、パーツを繋ぐ時この部分を開いて繋ぎます。
造りの悪い既製品のペンダントに良くあるのですが、この部分が溶接されないまま製品として販売されている商品があります。この部分が溶接されていないといつの間にか開いてしまい。大事なダイヤの部分がいつの間にか無くなっている!と言ったことになりかねません!
最近もこの部分が開いて先の部分を無くしかけたと言うお客様が修理に持ってこられました。皆さん気をつけましょう!!
職人さんによって方法は色々ありますが、
ダイヤなどを留める前に全ての溶接を済ませてから石留めする方法。と
今回のようにダイヤを留めてしまって最後に溶接する方法。です。
今回の場合、後者の方法ですが、金具にも彫り留めでダイヤを埋め込むのでパーツを分けておいた方が、ヤニ台への固定、ダイヤの彫り留めが容易だからです。
以前、レーザー溶接機が無いときは最後にロー付けするのにかなり神経を使って慎重にしなければいけませんでしたが、今は、レーザー溶接機がありますので簡単こなすことが出来ます。
レーザー溶接機内の写真です。
すごく細かい部分ですが、レーザーなら難なくこなしてくれます。しかも共付けなので強度も抜群です。
ビームの強さ、時間、大きななどを調整して溶接します。手作りの場合かなりレーザー溶接を多用した造りになっています。今では無くてはならない機械となっています。ロー付けよりも強度がある共付けですし、火では溶接できない部分の溶接も出来るので、不可能が可能になる機械です。
そして完成したのがこちらです。
少し足早にご紹介しましたが、手作りペンダントの場合このような行程で製作していきます。
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こんにちは
昨日の夜はWカップ、日本vsカメルーン戦を見ていた方が多かったと思いますが、
私もその一人でした。今回の日本代表はすばらしい中心選手。と言った核となる中田英寿選手のような存在は無く、
選手の組織と連携でゴールまで運んでいくといったサッカーです。
中村選手もいますが、数年前のようなすばらしいパス回し、フリーキックなどは見られなくなりました。コンディションが悪いのか?年齢のせい?
ミッドフィルダーの本田選手をフォワードにと言うのはどうなの?とは思いましたが昨日は当たりでしたね!
当たりというか、過去の試合でも本田選手はパスを出すというよりも自分で点を取っている方が多いのでFWの方がひょっとすると合っているのかも!?
って言うか、今のFW陣に点の取れる人が居ないと言うのが本音の所のようで松井選手のパスからあの位置で、他の選手ならはずしていたかも知れません。本田選手だからゴールできたのでしょう!
松井選手のドリブルもすばらしかったですね!以前は確か京都サンガに在籍していたと思いますが、そのときからこの選手のドリブルはすごいなと思っていました。あのドリブルいからパスが出せれば完璧ですね!!
ワールドカップの話が長くなりましたが本題です。
マリッジリングのリフォームです。
お持ちになったのは世界的にも有名な某ナショナルブランドのマリッジリングですが素材がプラチナ1000の為、柔らかく、すぐに歪んでしまうとのこと。シンプルなマリッジリングですが、こちらの地金を利用して新しいマリッジリングに作り替えです。
選んでいただいたデザインはハワイアンのマリッジリングです。
プラチナ1000のままだと柔らかすぎるのでプラチナ900に直してベースになる甲丸リングを作ります。
そして、甲丸リングに彫刻を施していきます。元々レディスのマリッジリングには表面にダイヤ、内側にはサファイアが入っていたのでその宝石を利用してハイビスカスの中心に留めたデザインにします。
彫りが終わってダイヤ、サファイアを留めれば完成です。
慎重に石留めしていきます。
完成品がこちらです。
レディスのみの写真です。プラチナ900に直して幅が4mm有るのでほとんど歪むことは無いと思います。
元がシンプルなデザインだったので表面の彫刻がキラキラ仕上がりに大変満足していただきました。
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こんばんは!
今回は、デザインが古く、高さのあるルビーのダイヤ取り巻きリングを
今風の高さの低いリングにリフォームする行程をご紹介します。
ここの所オーダーメイド結婚指輪の注文が沢山入っているのでリフォーム等は出来上がりがいつになるか解らないのでお断りする場合が多いのですが、以前からのお得意様で完成がいつになっても構わない。と言うことなのでお受けすることになりました。
こちらがリフォームする前のルビーの指輪です。お母様が使用していた指輪ですが、娘さんに使ってもらうために今風のデザインにリフォームしてプレゼントしたいとのことでした。
ルビーを外し、回りのダイヤも外していきます。この指輪は、かなり昔に手作りで造られた物のようで爪の一本一本まで丁寧な作りをしていました。四角いダイヤが入っていましたが丸いラウンド形のダイヤに変更して足りない分を足し、ラウンドダイヤだけの取り巻きにします。この指輪を造った職人さんごめんなさい・・・。
ルビーです。少しピンクがかったキレイな色合いです。
製造方法は何種類かありますが今回はルビーの回りのダイヤを取り巻く部分は一枚の板から削りだしていく製法で行いました。元々入っていたダイヤが小さく、一つ一つダイヤの石座を造ってルビーの回りにロー付けしていたのでは元のデザインよりダイヤの数が少ないイメージになるためです。少しでもダイヤを大きく見せ豪華に見せるために、ダイヤとダイヤの間隔を空けて石留めしても違和感の無いようにするための工夫です。
ルビーの石座の回りにダイヤを留めるための下穴を空けています。
ルビーの石座とダイヤ部分の板はまだくっつけていません。
ルビーの石座を付ける前にダイヤを留める内側部分の爪をロー付けします。
ルビー石座にも爪を付け、ダイヤの石座と溶接します。
その後ダイヤ部分の余分な地金をダイヤの形に合わせてヤスリで成型します。
石座部分が出来たところで、今度は腕の部分を造ります。今回は鋳造は一切行わず、地金のたたきだし、削りだし等で製作していきます。完全に手作業です。右が腕の部分を造るため、プラチナを溶解して一塊にした物です。
金床の上で金槌でトンチンカンと叩いて成型します。
何度かなましながら細く伸ばしていきます。
指輪の形に丸めます。
芯金にとおして真円にして、石座の底のパーツを溶接します。
ヤスリで成型しながら先に造っておいた石座を溶接し、更にダイヤの爪を溶接していきます。
だんだん取り巻きの指輪らしくなってきました!
爪を短く整形し、磨きをかけていきます。
いよいよ回りのダイヤから石留めです。
そして、完成で~す(^^)v
ルビーとダイヤ部分の間、また、ダイヤとダイヤの間は間隔が少し空いているのですが、その部分からはプラチナ地金が覗き見えるために、今回の製造方法だと一回り大きなダイヤが使われているような雰囲気になります。
ルビー、ダイヤの大きさにピッタリとした大きさ、形を合わせるべく完全に手作りで製作いたしました。
とても上品なルビーの指輪が完成いたしました。
今回ご注文から完成までは3ヶ月ほどお待ちいただくことになってしまいましたが、
お客様には大変喜んでいただけました。ありがとうございました。
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早い物で1月も半ばを過ぎました。やるべきことが沢山あるので毎日忙しく、あっという間に一日が過ぎて行く感じです。今月の23日~25日まで東京で開催される国際宝飾展に行くためにお店をお休みします。毎年この時期にある催しで、世界中のディーラーやバイヤーたちが集まってくる日本で一番大きな催しです。今回も出張して、仕入や新しい機械の購入を考えています。このための準備やら何やらで作業に追われています。3日というスケジュールはかなりハードで、昨年は東京で体調を崩し、風邪をひいてしまったので今回は万全の体制で臨みたいと思います。
今回は18金のペンダントのリフォームです。リフォーム、オーダーペンダントなどはお得意様か、店頭にご来店のお客様で製作日数が2~3ヶ月かかっても良いというお客様のみお受けしています。今回のお客様も以前からのお得意様で、11月にオーダーを受けたのですが順番にマリッジリングなどを製作しているためにやっと出来上がりました。大変お待たせいたしました。
作業工程を簡単にご紹介します。
リフォームする18金の地金をまとめて溶解して一塊にし、金槌で成型しながら伸ばしていきます。
こんな感じでだんだん伸びてきました。途中で加熱して、なましながら作業します。
厚みを1.5mm程度になるまでローラーで伸ばし、必要な部分を糸鋸で切り出します。
キレイにヤスリで成型していきます。平面の部分はペーパー等で磨いていきます。
必要なパーツをロー付けしていきます。右上の丸い部分には0.2ctのダイヤを埋め込む予定です。
キレイに磨いて文字をタガネで彫りました。英語の明朝体です。後は丸い部分にダイヤを留めていきます。
ダイヤを覆輪留めで留めて、最終仕上げをして完成です。重さが13gあるかなりボリュームのある作品となりました。
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先日途中までご紹介したエンゲージリングのリフォームの完成までです。
パーツ毎に鋳造した部品を組み立てている様子です。ロー付けの前にツールが入りそうもない狭いすき間は事前にヘラ仕上げ等をしてから組み立てます。この作業を怠るとツールが入らず、仕上げの出来ない箇所が出来てキレイになりません。
部品を組み立て終わり、ヤスリガケをして余分な部分を落として仕上げていきます。途中で中石を置いてみてチェック。サイドのメレーとのバランスを見ながら進めます。
内側に石目とPT900の刻印を入れているところです。この段階で内側のみ光沢仕上げをしておきます。
全ての面を光沢仕上げし、まずサイドのメレーから石留めをしていきます。ここまで来れば完成間近です。後は中石を留めて爪回りの仕上げ直しをすれば完成です。
こちらがお預かりしたエンゲージリングです。デザインが古く、高さのかなりある立て爪デザインです。
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こちらがリフォームによって生まれ変わったエンゲージリングです。ダイヤの中石の大きさは0.6ctあります。グレードもかなり上の物で美しい輝きを放ちます。サイドのメレーはトータルで0.28ctあります。大きめのサイドメレーを使って少し豪華にして欲しいとのご要望でこちらのリングが完成いたしました。遠く兵庫県からのご注文ありがとうございました。
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以前は宝飾品全般のリフォーム・オーダーメイドなどを受けていましたが、現在はマリッジリングのオーダーが忙しく、マリッジ以外の仕事はほとんど受けていません。しかし、以前からのお得意様やその紹介の方に限ってリフォームなどを受けています。今回もそんなお客様からのご依頼です。兵庫県からのご依頼でインターネットを通さずデザイン画を郵送したりしてデザインを決定いたしました。
0.6ctのダイヤモンド立て爪指輪のリフォームです。ダイヤは大きくてキレイなのですがデザインが少し古く、今風で少し豪華なデザインにしたいとのご要望です。
地金をたたき出して作ることも出来ますが今回はワックスで原型を作ることにしました。まず、チューブワックスを削って指輪の土台を作ります。
少しひねりのある柔らかなラインにする予定です。
0.6ctのダイヤモンドを留めるための石座(シャトンとも言います。)預かっている物は爪も大きく高さがありますが、新しいデザインは爪を小さく低めの石座にします。
こちらもワックスを削って作ります。ダイヤを乗せてセッティングのチェックです。この石座部分は地金を削って作ろうか迷いましたがこちらもワックスで鋳造することにしました。
ツリーを作って鋳造の準備をします。リングの部分と石座を別々に鋳造して地金にしてからくっつける方法を選択してのワックスツリーです。パーツ分けすることで細かい部分まで仕上げの手が入るのでキレイに仕上げられます。
こちらは立て爪リングのサイドに付けるメレーダイヤの石座です。サイドのメレーにしてはチョット大きく、1個0.1ctの大きさのダイヤを留める石座です。
ここまで作業をして明日は鋳造です。全部地金に仕上げてからパーツを組み立てていきます。明日は朝一からホワイトゴールド1缶と、プラチナが1缶を鋳造予定です。
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当店が現在の場所にオープンする前からのお得意様からリフォームの依頼で作りました。原型はお客様が銀製の獅子の指輪を持ち込まれてゴム型をとり、プラチナで製作しております。原型銀製リングにダイヤは入っていないのですが写真のようにダイヤを入れて欲しいとのご依頼で口にはマーキス型のダイヤモンド、目にラウンドダイヤを埋め込んでおります。
銀製の指輪からゴム型をとってインジェクションワックスで銀製原型と同じ物を作りました。
ワックスツリーを作って鋳造リングのセットし、埋没します。
かなり厳つい感じの指輪が出来上がりました。このお客様は男性ですが、以前から宝飾品が好きで度々オーダーやリフォームをさせていただいております。この指輪も原型こそは作りませんでしたが、重さが40gぐらいあってかなり大ぶりなので、鋳造時に巣と言われる穴のような物が出来やすいのでかなり注意して鋳造しました。
横から見たところです。
プラチナ900 重さ39.8g 口のマーキスダイヤ0.705ctの仕上がりとなりました。
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4本のダイヤ指輪のリフォームを受けました。背の高い立爪ダイヤリングなのですがペンダントと指輪に新しいデザインに作りかえたいとのこと。ダイヤの大きさは0.54ct、0.6ct,0.728ctとトータル0.37ctのV字リングです。
4本とも一人のお客様の物で、どれも石の大きい物ばかりなのでデザインが難しいです。0.6ctのダイヤが一番良い石のようなのでこれは指輪に。0.54ctと0.728ctは2つ使ってペンダントに。V字リングのスクウェアダイヤをどちらかのデザインに使用して欲しいとの依頼です。シンプルなデザインはあまり好きでは無いようなのですが、ダイヤが大きくてスクウェアダイヤを使うとなると今風のデザインを考えるのは何日かかかりそうです。
デザインの決定、製造工程など手が空いたときにアップしていきます。
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昨日埋没した物が固まったので今日は仕上げまで一気に作業を進めます。
埋没した鋳造リングを電気炉に入れて半日ほど加熱します。900度の温度まで一気にあげず、徐々に温度を上げていきます。なぜかというと埋没したワックスを溶かして湯口から流れ出させペンダントの形の空洞を作るわけですが、一気に温度を上げるとワックスが沸騰して埋没材とワックスの密着していた表面が荒れて鋳肌が汚くなるからです。ワックスを沸騰させずにゆっくりと溶かしていきます。900度の温度まで上げてから2時間ぐらい保持してワックスを完全に焼却させます。
完全に焼却した鋳造リングを鋳造機にセットします。地金が溶けて鋳造するタイミングがけっこう難しいものです。
鋳造して表面に付着した埋没材を完全に除去するとキレイなプラチナのペンダントの形が出来ました。後はチェーンを通す金具と石を留めるための爪を溶接して仕上げます。
PT900 3.5g
キレイに石も留まって出来上がりです。
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