オーダーメイドの結婚指輪・マリッジリングの彫金日誌です。archive-diary-php
徳島もとうとう梅雨に入りました。例年よりもかなり早めの梅雨入りのようです。6月は雨は多いのですが季候が良く、結婚式も多い季節です。この結婚式が多くなる季節にかけて2~3月ごろに結婚指輪の注文が多かったのですが、5月ごろからまた店頭、ネットなどで結婚指輪の注文が増えました。でも、ほとんどが次に結婚式が多い季節である10月、11月の予定の方からの注文です。中には来年の4月に結婚式予定の人もいらっしゃいます。当店のオリジナルマリッジリングを大変気に入っていただいて「この指輪しかない!」と言っていただき、早々とご注文いただきました。大変ありがたいお言葉です。
今日は先日埋没したプラチナマリッジリングを2缶鋳造し、ツリーから切り離して仕上げの作業にうつっていきました。ヤスリ掛けをする前にまず、巣や欠損部分が無いかマイクロスコープで確認し、あれば埋めていく作業をしていきます。
見てのとおり、矢がモチーフになったマリッジリングのモデリングをしています。二つの指輪はS字型にカーブしていて合わせると弓矢のモチーフが浮き出るマリッジリングです。S字のフォルムの場合リングを合わせるとモチーフがピッタリと浮き出るようにするのは少し手こずりますが正確にモチーフを合わせることが出来ます。
今日最後の作業ですが、明日も朝一でプラチナマリッジリングを2缶鋳造するので埋没リングを電気炉にセットしました。
この温度コントローラーには温度管理のプログラムを4つ登録できます。プログラム1がプラチナ用のメモリー番号です。この2缶を鋳造して、更にもう2組の注文があるので現在とても忙しく作業をしております。
そんな中、現在マリッジリングをご注文していただいているお客様からとっても喜ばしいお知らせを頂きました。ネットでご注文いただいているお客様なのですが、私も気になっていた問題が解決したようです。嬉しいお知らせを頂いて私も元気を頂きました。
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今回ご紹介するマリッジリングはバラの花をモチーフにしたリングです。
メールでご依頼をいただき、電話でイメージを伺いデザインいたしました。現在お手持ちのゴールドとプラチナのコンビリングと重ねづけが出来るようにと、コンビのデザインにいたしました。
全周に渡ってバラのイバラが施されたリングです。トップの花の部分のみK18イエローゴールドです。
かなり細かいモチーフですが細部まで丁寧に仕上げをしてツリーにしました。
こちらが花の部分をワックスで削った物です。
花びら一枚一枚を丁寧に仕上げています。私の指と比較するとかなり小さいのがわかります。
リングの部分をプラチナで鋳造しました。ワックスの細かいレリーフがキレイに再現できるか不安だったのですが、巣もなくキレイに出来て一安心です。
こちらが花の部分をイエローゴールドで鋳造仕上がった物です。
指に乗っけると本当に小さいのがわかります。
両方をキレイに研磨して光沢を出します。
すき間が出来ないようにしっかりと両方のパーツを溶接します。
溶接後、キレイにバフ掛けし光沢を出してからバラの花、イバラの部分以外をつや消しにして、イバラに奥行き感を出すためにイバラのライン彫刻も入れています。
花のすぐ横のツルにダイヤを抱きかかえるように1個埋め込んで仕上がりました。
今回は、レディスのみをご注文いただきました。
幸せな家庭が築けるよう私どももお祈りしております。遠方にもかかわらずご注文いただきまして本当にありがとうございました。
末永くお幸せに!
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先日、神戸で開かれた国際宝飾展に行ったときに、レーザー溶接機を見てきました。この国際宝飾展は年に2度、1月にも東京で開かれています。今回の宝飾展は東京よりも規模は少し小さいですがそれでも開場はかなり広く、1日では全てのブースを見て回れません。私の場合商品の仕入れよりも加工機械などの方が興味があり、費用対効果をあまり考えずに目新しい機械を見ると欲しくなってしまいます。レーザー溶接機の場合も無ければ無いなりに彫金作業はできると思ってはいましたが、実際にさわってみて、試し打ちなどをしてみるとその性能の良さに惚れ惚れしました。やはり、今まで行ってきたガス溶接だけの作業は限界があると実感しました。アーク溶接機を持ってはいるのですが時間が掛かり、私のように連続した作業をする場合は力不足です。なのでレーザー溶接機の導入を前向きに検討していきたいと思います。現在スペックなどのわかる範囲で3機種の検討をしてみました。
【候補1】
まず最初に目を引いたのはこの機械です。卓上型で大きさも当店の設置スペースを考えると丁度良い大きさです。レンズ部分もライカ製で信用できるメーカーの物です。液晶コントロール表示も大きく見やすいです。
■スペック
最大パルス :40J
ピークパワー:5kw
パルス幅 :0.5-20ms
スポット経 :0.2-2.0mm
メモリー :有り
波形制御 :有り
重量 :50kg
【候補2】
ドイツ製のロフィンという機械です。世界的にかなり定評のある機械で信頼性もあります。元もと高価なメーカーのようですがこの機械は価格を落とした廉価版です。スコープ部分は中国製のようですが覗いた感じは視認性は悪くありませんでした。ただ、卓上型にしても大きすぎるかも(^^;)
■スペック
最大パルス :50J
ピークパワー:5kw
パルス幅 :0.5-20ms
スポット経 :0.2-2.0mm
メモリー :有り
波形制御 :有り
重量 :85kg
【候補3】
イタリア製の機械で3機種の中でも一番小さく、軽いです。パルスエネルギーは60Jと一番大きいのですが、ピークパワーが4kwと少しパワーが落ちるようです。レンズ部分もライカ製で信頼が置けます。価格を抑えるために、メモリーと波形制御が付いていません。この機能が無いのは加工作業にどう影響するのか?試し打ちをしましたが無くても良いような気もしますが・・・。
■スペック
最大パルス :60J
ピークパワー:4kw
パルス幅 :0-15ms
スポット経 :0.3-1.5mm
メモリー :無し
波形制御 :無し
重量 :30kg
ここで紹介する以外にも数機種あるようですが今回確認できたのはこの3機種です。おおよそこの中から選択しようと思っています。価格はみんなよく似た感じでスペックもよく似ています。候補3の機種はメモリー、波形制御が無い分少し値段が安いです。価格を取るか、機能を取るか悩みます。
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今日は丁度、定休日と重なり、神戸で開かれる国際宝飾展に行くことが出来ました。毎年この展示会には行ってるのですが早朝より車で出かけます。毎日、就寝時間が12時を廻ってからなので朝早く起きるのが辛いです。四国と関西は海があって不便なように思われがちですが、ここ徳島と本州は淡路島を経由して明石海峡大橋で繋がっています。一度も高速道路を降りずに神戸まで行くことが出来るので意外と時間も掛かりません。
午前6時30分頃家を出て徳島市内を通って北へ向かいます。午前7時前ぐらいの徳島市内の道路です。朝早いですが結構車が往来しています。皆さん早起きですね(^^)
車で走ること約1時間、明石海峡大橋が見えてきました。大橋の手前には上り、下り共にパーキングがあります。ここで一服、橋を写してみました。淡路島の北岸から写したので橋の向こうは本州側の兵庫県です。
更に車で走って無事、午前9時前には会場に着きました。駐車場にも無事駐車でき、一安心です。開場は10時なのでまだ人影もまばらです。設営のスタッフの方々がまだ作業をしてたりしています。
開場後は仕入などで時間を取られ、あっという間に時間が経ちます。お世話になっている彫金工具メーカーさんで以前買った加工機械の使用方法などを詳しく聞くことが出来ました。マニュアルなどに載っていない設定方法など色々聞くことが出来てとても良かったと思います。電話などで話をすることは出来ますが機械を前に話をするとより細かく話が聞けます。彫金工具、加工機械などは日本製の物は少なく、ほとんどがアメリカや、ドイツなどの外国製のようなので、今回のような大きな展示会では現地から来訪したエンジニアなども立ち会っています。なので、メーカーさんの通訳を通し、直接外国人のエンジニアに説明を聞けたりします。
そんな中、パソコンにインストールした加工機器の設定ファイルをカスタマイズする方法を聞きました。ソフト上で行うのではなく、設定ファイルを直接ノートパッドなどで開いて設定を変えるという裏技です。これが聞けただけでも来た価値があったと思います。
この後お目当てのレーザー溶接機を色々見て回り比較検討しました。後日、自分なりに比較した内容についてアップしたいと思います。
午後4時半に開場を出て帰路につきました。
帰りには、記念に大橋の上で写真を撮ってみました。走行しながらの撮影は危険なのでカメラを事前に車のダッシュボードの上にセットし、リモコンでシャッターを切りました。うまく撮影できたようです。
帰りも淡路島北岸のパーキングエリアで休憩し、このパーキングの名所になっている大きな観覧車を撮影してみました。平日とあってほとんど人は乗っていませんが休日ともなると行楽客が結構利用しているようです。
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今日は午後から台風2号の影響か雨が降り出しました。その雨が夜になるにつれ、一段と激しくなり大雨洪水警報が発令されるほどとなりました。4~5日前まで半袖で過ごしていたのにこの所、急にまた寒くなって長袖シャツを引っ張り出してきて着ています。今日は雨なので特に底冷えします。(x_x)
本日ご紹介する結婚指輪は当店のホームページをご覧になり埼玉県からご注文いただきました。
シンプルな平打ちタイプのリングをベースに唐草模様を入れたリングです。レディスとメンズでサイズが違いますが全く同じデザインのサイズ違いとして作っています。全周に渡って不規則に入れられた唐草模様には秘密があり、4つのイニシャルが隠されています。
こちらがデザイン画です。模様の中に、『T』、『C』、『M』、『H』が隠されています。
この唐草模様は原型の段階で造形した物で、表面から一定の深さで均等に彫り込んでいます。この作業はどんなに熟練したクラフトマンを持ってしても絶対に不可能な作業ですが、当店お得意の3DCADを使ってモデリングし、CAMソフトによって造形したからこそ可能になったものです。このリングの製作を他店に頼むと手作業で時間が掛かる上、サイズ違いで全く同じ物を作るのは不可能に近く、仮に出来たとしてもかなりの金額を請求されることと思います。このワックス原型を見る人が見れば原型製作のクオリティーの高さが解っていただけると思います。
この結婚指輪はK18WGで製作いたしました。当店のWGは独自の調合によってメッキ無しでもプラチナに近い白系の発色をしているので鋳造直後の鋳肌も白いキレイな物になります。
キレイに磨いた後、そのままでもキレイなのですが、より光沢を出すためにロジウムメッキはやはりかけます。ただ、元もと白系の地金なので長年使って少々傷が付いてもメッキがはげて茶褐色の地肌が見えてきて汚くなると言うことはありません。ご安心を(^^)
内側にはダイヤモンド彫刻機でかわいいハートと、記念日を彫刻いたしました。遠方にもかかわらずオーダーいただきまして本当にありがとうございました。
末永くお幸せに!
PS
明日から神戸で国際宝飾展というとても大きな展示会があるのですが今年も出張しようと思っています。今年はダイヤモンド彫刻機という機械を買ったばかりなのですが、更に高額な機械を導入することを検討しています。それはレーザー溶接機という物です。溶接部分以外に熱の影響が全くなく溶接が可能な物で、今まで不可能だった様々な加工作業をこなせると考えています。金額も高級車1台買えるほどしますがこれからの時代、彫金工房に取っては必要不可欠な物になると思います。会場にてレーザー溶接機を色々見て検討したいと思います。
毎回あちこちから招待状が山ほど来ます。こんなに必要ないのですが(^^;)
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今日から暫定税率復活でガソリン価格が25円上乗せとなり160円前後となりました。
政治家の人は全く国民の事を考えていないと思います。道路整備などは無駄遣いをやめれば今までの財源で充分まかなえるのではないでしょうか?混乱させられたガソリンスタンドの方は皆さん憤慨しているようです。
ジュエリー業界ではピンクゴールドが流行っているようでピンクゴールドのリングが店頭でもよく売れます。店頭での在庫が少なくなってきたので補充のためリングを数点鋳造しました。
ピンクゴールドの鋳肌はYGよりもほのかにピンク色をしています。この後ツリーから切り離して磨きます。その間私はオーダーメイドマリッジリングのワックス作業をしました。
表面に細かいレリーフを入れたワックスの原型です。一緒にエンゲージリングの元になる原型もプラチナで鋳造するためツリーにして埋没します。
もう一つワックスで作ったパーツがこれです。バラの花なのですが3.5mm幅のリングに付けるため、かなり小さいパーツです。大きさは3.5mm×3.5mm位でしょうか。私の指と比べてみるとかなり小さいのが解ります。小さくても花びらはしっかり作っています。このパーツはK18YGで鋳造します。
当店のオリジナルマリッジリングをご注文いただいた方のマリッジリングが完成し、ケースに入れて受け渡しの準備をしました。
このように専用のケースに入れています。このケースはリングを1本づつリング差しに差してケースに入れるタイプなのですがリングサイズが小さすぎると入れられません。このためリングサイズの小さい方のマリッジリングはこのブルーケースとは違うケースに入れさせていただいています。
裏側の彫刻です。ダイヤモンド彫刻機で結婚式の記念日を数字で入れました。明朝体で少し斜体になったフォントです。この写真で解るようにこのリングを注文いただいたお客様はもうすぐ結婚式です。
末永くお幸せに!
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もうすぐゴールデンウィーク突入ですね!毎年この期間はレジャーや旅行に出かける人が多いようですが、今年は暫定税率の問題でガソリン価格が下がったり、上がったりもういい加減にして欲しいものです。(>_<)
安心して旅行などにお金を掛けられない状況が続いていますが皆さんはどう過ごされるのでしょうか?私は暫定税率関係なく、仕事をこなさなければいけないので結局仕事の毎日です(^^;)
今回ご紹介するマリッジリングはとってもネコが大好きというお二人からのご依頼で、ネコをモチーフにしたマリッジリングのご紹介です。
基本のフォルムはシンプルなS字タイプのリングです。プラチナで鋳造した直後の写真です。リングの表面に突起物が無いリングなのでかなりキレイに地金が流れました。全く巣がない状態です。
チョット写真を撮った場所が悪かったので解りにくいですが表面をキレイに研磨しています。リングのトップ部分にはお互いの誕生石を彫り留めにするため、下穴を空けています。
誕生石を彫り留めし、ネコの顔と、肉球の足跡をタガネで彫刻しました。とてもかわいく仕上がりました。
彫刻ではCADで作ったリングのようには行きませんが2本ともほぼ同じようなネコの顔と、肉球が彫れました。
私もネコが大好きで、今は飼っていませんが、うちには物心付いたときからずっとネコがいました。子供の頃に良くネコと遊んだ思い出があります。私にとっても懐かしい思い出のような仕事をさせて頂きました。
末永くお幸せに!
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当店のオリジナルマリッジリングの中に『翼』という名前のリングがあります。埼玉県のお客様から素材をホワイトゴールドにてご注文いただきました。
原型をK18ホワイトゴールドで鋳造し、ツリーから切り離した直後です。当店のホワイトゴールドは独自の調合によって、地金その物が白色系の色合いをした素材を使っています。
まず、サイズをきっちり決めるためにリングの内側をヤスリ掛けしサイズを決めていきます。
キレイに表面を研磨してからダイヤを留めます。当店のオリジナルはダイヤは入っていないのですが、レディスにダイヤを1個入れて欲しいとの希望でしたのでダイヤを留めています。リングの形状から平面部分は無いのでデザインの尾根になった部分で左右から挟み込むような留め方で石留めしました。
キレイに研磨して出来上がりです。
メンズの方は内側にブルーダイヤを埋め込みます。内側に石留めするためにダイヤと同じ直径の下穴を空けます。
ブルーダイヤと同じ直径の下穴がキレイに空きました。
ヤニ台という物にリングを固定してブルーダイヤをセットしています。四隅からタガネで爪を作り、石留めしていきます。
レディス、メンズとも完成しました。当店のオリジナルはレディスのダイヤ、メンズの内側のブルーダイヤは入っていないのでアレンジオーダーという形で完成いたしました。メッキをかけなくても白色なのですが光沢の照りを出すためにあえてメッキ処理をしています。ただし、地金その物が白系なので長年使って傷が付いてもメッキが剥がれて汚くなったりはしません。
内側には最近導入したダイヤモンド彫刻機をつかって、英語の筆記体でお二人の名前を刻みました。
このリングは、この写真のように左右に並べて置くと翼を広げているようなデザインになります。また、このリングは全周に途切れなく翼のモチーフが入っているので、「永遠に大空を羽ばたいていられるような幸せが続きますように。」と言う意味合いでもあります。
遠方にもかかわらずご注文ありがとうございました。末永くお幸せに!
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ジュエリークラフトMAKIの店内にはピンキー&ダイアンのシルバージュエリーも販売しています。今日、お客様が彼氏にプレゼントとして、ピンキー&ダイアンのメンズネックレスをお買い上げ頂きました。シンプルなプレートのタイプなのですが、裏側にメッセージを彫刻して欲しいとの希望で加工を承りました。
チェーン部分を外してダイヤモンド彫刻機の治具にセットしたところです。ペンダントは幅が8mmで、機械にセットするギリギリの幅でした。彫刻する面は裏側なので、裏側が上になるようにセットしました。
一番キレイに見えるバランスで文字の大きさ、彫刻位置などを何度も調整してから彫刻しました。英語の筆記体で彫刻しました。
彫刻跡はとてもキレイでキラキラしています。
ちなみにこちらがこのペンダントの表面です。シンプルな作りで、こちら側にも何か彫刻しようと思えば出来るのですが、ピンキー&ダイアンでは無くなってしまいそうなので表面はそのままです。
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