オーダーメイドの結婚指輪・マリッジリングの彫金日誌です。single-diary-php
2年ほど前に購入していただいた結婚指輪のサイズ直しを承りました。
結婚指輪はサイズ直しできる物と、できない物があります。
通常は全周に模様や彫刻が入った物などは、サイズ直しをするとその模様がずれたり消えてしまったりしてしまいます。何とか模様を入れ直せるものは入れ直しますが、購入時のように元に戻すのは難しいです。
今回サイズ直しを承った物はトップ部分にダイヤや彫刻が入っておりますが、手の内側に上がる部分には何も模様が入っていない結婚指輪です。このようなデザインの物は模様のない部分を切ってサイズ直しをするのでキレイに元に戻ります。
写真ではわかりにくいですが、細かい小傷などが入って、メンズは重い荷物を持ったときに少し変形したとの事でした。今回こちらをサイズ直ししていきます。
サイズを大きくするので模様の無い部分を切って大きくするサイズ分だけ母体と同じPT900の金属を差し込みます。
当店ではサイズ直しするときにロー材は使いません!全てレーザー溶接で母体と同じPT900で溶接します。なので、サイズ直しした部分に黒いスジが残ったり、ロー材に入った異種金属によってアレルギーになる心配もありません。また、強度もあります。
ただ、溶接していくのに時間と手間がかかります。ですが、お客様に喜んでいただくため、手を抜くわけにはいきません。
今回は、レディスとメンズ両方のサイズ直しを受けました。両方ともレーザー溶接してヤスリ掛けしました。このヤスリ掛け作業が職人の腕の見せ所です。
キレイにバフ掛けして出来上がりです。大きな傷は残ってしまいますが、光沢がキレイにでるのでほぼ新品同様に仕上がります。
後は受け渡しを待つだけとなりました。
話は変わりますが、前回ご紹介しましたオーダーメイド結婚指輪のシルバーサンプルの鋳造が終わり、ワックスの原型が形になりました。
次回からこちらの仕上げもご紹介していこうと思います。
オーダーメイド結婚指輪制作blog