オーダーメイドの結婚指輪・マリッジリングの彫金日誌です。single-diary-php
こんばんは!
現在新作のマリッジリングを製作途中なのですが中々はかどらず、少し先になりそうです。
9月に入り、オーダーメイドマリッジリングの相談が増えたのと、細かい修理などが入ってきているためです。
サンプルは何種類かの表面処理をするため同一の原型を2~3個ずつ作っています。
その中の一つのデザインです。今回は細身のフォルムでエッジ部分にミル打ちをしています。
こんな感じでミルを打つのも、ミルの大きさ、全周打つのかどうか、ダイヤは入れるか否か、色々考えて製作しています。実際に仕上がってみても気に入らなければ原型から製作をし直しています。そんなこんなで時間が掛かるわけです。
レーザー溶接機を使って、色々な加工を試してみました。
以前からのお得意様からK18でピアスを作って欲しいとの依頼があり、製作しました。
この所、結婚指輪の製作が忙しいので、お得意様であってもリフォームなどは断っておりましたが、日数は掛かっても良いと言うことと、簡単なデザインなのでお受けしました。
先端に直径2mmのイエローサファイアが付いたピアスを製作するのですが、パーツの組み立てを全てレーザー溶接でやってみました。
接合部分のアップです。ピアスの芯は0.75mm、爪は0.5mmです。
以前使っていたアーク溶接機では細かい部分の調節が出来ず、溶接箇所が引けてしまって細くなったり、他の箇所が溶けてしまったりしたのですが、レーザー溶接はさすがです。
溶接による引けがほとんど無く、細かい箇所もピンポイントで溶接できます。
レーザー溶接は共付けなので、ロー付けに比べ強度があり、他の部分の熱による変色などがありません。
また、ロー付け中に他の箇所のローが溶けて爪が外れる。と言ったこともありません。
こちらがピアスの出来上がり写真です。
プラチナ指輪のサイズ直しもしてみました。
これはマリッジリングなのですが、ロー付けよりも強度のあるレーザー溶接でサイズ直しをします。
以前はダイヤなど石の入っていない指輪は、ガス溶接で共付けしていましたが、ダイヤなどか入った物は共付けできません。なので、レーザーが無ければ出来ない加工です。
接合部のアップです。同一素材のプラチナで肉盛りをしていくのですが、最後にスポット経を大きくして、表面をなめらかに、ならすような処理も出来ます。この仕上げによってヤスリ掛け途中に盛りが足りずに凹んだ部分が出来た!
なんてことはありません。また、仕上げの手間も省きます。
以前のアーク溶接機でも共付けは出来たのですが、時間が掛かるのと、どうしても溶接スポットに引けが生じるので、かなり手間が掛かっていました。
アークでは肉盛りはV字にカットして肉盛りをしていくのですが、V字を広めにしないとアークが近い部分の地金に飛んでしまい、思ったように溶接が出来ませんでした。
レーザーならば、サイズアップの場合でもV字にせずに、アップ分の溝ですむので大幅に時間が短縮できます。
様々な溶接をしていくうちに、加工の質が大幅に向上するのは間違いないと確信しました。
オーダーメイド結婚指輪制作blog