オーダーメイドの結婚指輪・マリッジリングの彫金日誌です。single-diary-php
昨日は台風でお店を閉めていたので彫金作業だけを効率よく進めることが出来ました。今日はワックスツリーの埋没作業をご紹介します。いつものように指輪のワックス原型をツリー状にセットします。
鋳造リングをかぶせて固定します。
こちらが埋没材です。水との比率が決まっているので秤で正確に量を測っておきます。
ミキシングボールと言うゴム製のボールに水を入れ先ほど量った埋没材を入れて溶いていきます。プラチナ用の埋没材は金、シルバーと違って石膏ではありません。石膏だと2000℃のプラチナ溶湯があたるとガスが発生し良くありません。ですからプラチナ用の特別な埋没剤を使います。
水で溶いた埋没剤を真空脱泡器という機械に入れて真空に近い状態にし、埋没剤の気泡を完全に除去します。
余談ですが日常の気圧(1気圧)では水は100℃で沸騰しますが気圧が下がると低温でも沸騰します。真空脱泡器によって気圧を下げると埋没剤が沸騰し、中の気泡が抜けると言う具合です。強力な真空ポンプを使って水を完全な真空状態の中に入れると沸騰して、熱を放出し、最後には氷になるのを見たことがあります。沸騰して氷になるとは何とも不思議です。だから宇宙空間では水はすべて氷の固体になっているようです。
気泡を抜いた埋没剤を鋳造リングに流し込みます。
今度は鋳造リングごと真空脱泡器にかけて2次脱泡をおこない完全に気泡を無くします。
プラチナで鋳造した直後です。キレイにツリーから切り離して6本のマリッジリングが出来上がりました。この後丁寧に仕上げていきます。
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