オーダーメイドの結婚指輪・マリッジリングの彫金日誌です。single-diary-php
当店では、価格の安い素材としてパラジウムを使った結婚指輪をおすすめしています。
パラジウムはプラチナやホワイトゴールドの割金としてメインの素材では無かったのですが、昨今の地金高騰により、まだ比較的安価なパラジウムをメインとしたオリジナルの結婚指輪を制作しています。
パラジウムは加工が難しくパラジウム単体での指輪制作をしているところはあまりないと思います。加工に結構コツみたいな物が必要なのです。安価と言っても5年くらい前の金やプラチナの価格ぐらいはするので決して安い金属ではありません。ですが、今のプラチナ、ゴールドを使うよりは断然安く指輪が作れます。シルバーのように変色もしないし、ある程度強度もあるので充分結婚指輪にする価値のある貴金属であることに間違いありません。
今回は当店のオリジナル結婚指輪の制作をパラジウムで制作したいとのオファーがあり、2組ほどの結婚指輪を制作しています。
この写真はパラジウムで指輪を鋳造し、ツリーから切り離した所です。合わせるとクローバーが浮かび上がるマリッジリングと、リボンのマリッジリングです。どちらも可愛いデザインで人気のあるモデルです。
その4本(2組)のマリッジリングをシリコンポイントで磨いたところです。この後もう少し磨いてダイヤの石留めなどをしていきます。
下の写真ですが、このワイヤーは何かお解りになるでしょうか?通常、指輪のサイズ直しをする際は、指輪を切って繋ぐときロー付けという溶接方法で繋ぐのですが、ロー付けだとロー目と言われる黒い筋がつなぎ目に残ったり、つなぎ目の強度が弱くなったりします。そこで、当店ではロー付けは行わず、レーザー溶接機による母体の金属と同じ素材を使用した共付けという方法で溶接しています。
この共付けという方法だとプラチナ900の指輪の場合、プラチナ900で溶接するので切った後が残ったり、強度は弱くなることもありません。
このワイヤーはそのパラジウムの指輪をサイズ直しするときに使うパラジウムのワイヤーです。パラジウムは粘りがないので地金をワイヤーに伸ばすのが一苦労なのですが、これが無いとレーザー溶接機でサイズ直しが出来ません。パラジウムのワイヤー線などは販売されていないので当店で作っています。もちろんサイズ直しする指輪によってそれぞれワイヤー線を作ります。
サイズ直しのお話の流れですが、先日、以前ご注文いただいた結婚指輪のサイズ直しの依頼があってサイズ直しを承ったのですが、依頼主様がアメリカ在住の方で、お土産にチョコレートを頂きました。
ちょうど夏休みで日本に帰国するらしく、サイズ直しする指輪と一緒に同封していただきました。とっても嬉しかったです。ありがとうございました!
ありがたく頂きました!
オーダーメイド結婚指輪制作blog