オーダーメイドの結婚指輪・マリッジリングの彫金日誌です。archive-diary-php
マリッジリングのデザインの依頼が立て続けに入ってきました。少し忙しくなってブログの更新がおろそかになってしまいました。
お客様が納得していただけるデザインにするために色々なパターンを考えております。デザインを見いだすコツというのはありませんが只ひたすら書くことです。でもあまり続けると同じようなデザインしか出てこなくなるので全く違うことも間でします。書いているうちにけっこう色々出てきます。出てきた図案をキレイにまとめて加工方法も一緒に考えます。デザインが先走りすぎて到底作れないようなデザインになるのを防ぐためです。
出来上がったデザインをお客様に見ていただいて喜んでいただけるように頑張っております!
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4本のダイヤ指輪のリフォームを受けました。背の高い立爪ダイヤリングなのですがペンダントと指輪に新しいデザインに作りかえたいとのこと。ダイヤの大きさは0.54ct、0.6ct,0.728ctとトータル0.37ctのV字リングです。
4本とも一人のお客様の物で、どれも石の大きい物ばかりなのでデザインが難しいです。0.6ctのダイヤが一番良い石のようなのでこれは指輪に。0.54ctと0.728ctは2つ使ってペンダントに。V字リングのスクウェアダイヤをどちらかのデザインに使用して欲しいとの依頼です。シンプルなデザインはあまり好きでは無いようなのですが、ダイヤが大きくてスクウェアダイヤを使うとなると今風のデザインを考えるのは何日かかかりそうです。
デザインの決定、製造工程など手が空いたときにアップしていきます。
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彫刻の見本を何種類か作りました。伝統的な桜、唐草、メルヘンな雪の結晶などを作りましたのでアップいたします。リングの形状は曲面なのでリングのカーブに添って掘り進みながらタガネの角度を調整します。一つ間違えるとタガネがリング表面をすべってキズが入ります。かなり難しい技です。
これは雪の結晶リングに彫った一番小さい結晶です。一緒に写っているのはシャープペンの芯です。芯の直径は0.5mmなので結晶の一番太い線でも0.2mm位の太さでしょうか?グレーバーを使い出して2週間足らずですがここまで彫れるようになりました。和彫りをやっていて良かったと痛感させられます。(^^;)v
こちらはレーザーマーキングでリングの内側にマーキングを施したリングの見本です。これはこれですばらしい機械です。手彫りでは彫れないような物がレーザーで彫れるのだからマシンの進歩もすばらしいです。
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ある程度平面に彫刻できるようになればリングに彫れるようにしなくてはいけません。
ホームセンターで真鍮のリング素材か、真鍮パイプを探しましたが適当な直径の物が見つからずネットを検索しても見つからないので真鍮板を切り出して真鍮リングを作ることにしました。
徳島県は田舎なので私が使うような特殊な工具、素材があまり見つかりません。大阪、東京に出張に出かけたときにまとめて購入するのですが、それ以外はもっぱらネットで探しています。
写真は切り出した板を丸めてリング状にし、アーク溶接機でつなぎ目を溶接しているところです。
で、出来上がったのがこの写真。練習用なのでつなぎ目を仕上げせずにこのまま使います。
たくさん出来上がりました。
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昨日から洋彫りの練習をずっとしていましたが、どうも彫り跡、彫り具合などがしっくりいかずタガネを研磨し直すことにしました。
まず気になったのはタガネ先端の刃の角度です。マニュアル通りの角度ではどうも彫りにくいので角度を自分なりに変えてみました。地金に面する方の角度を15°から20°にしてみました。何となく良い感じで彫れたので20°に統一することにしました。
次に気になったのは彫った跡の光具合。和彫りだと真鍮板に彫った彫り跡はピカピカに光っているのですが、洋彫りだと和彫りのような光沢が出ません。彫り跡に光沢が出る仕組みは刃先の地金に面した部分が、ヘラの役割をして光沢が出るみたいなのですが、同じタガネを使い、金槌でたたいた物とグレーバーで彫った物とでは明らかに光り具合が違います。刃先の角度を変えたり、彫り方を変えたりしましたが、どうもうまくいきません。
試しに和彫りように研いだタガネをグレーバーに付けて和彫りの彫り方、彫る角度で彫ったところグレーバーでは光沢が出ないことが解りました。さ~て困ったぞ・・・。彫り跡がキレイでなければ商品になりません。
さんざん試行錯誤したあげく、気晴らしにプラチナに彫りを入れてみました。プラチナは高価なので今まで試し彫りをしなかったのですが驚いたことに彫り跡がとてもキレイに光っていました。どうも地金の方に問題があったようです。真鍮は金、プラチナに比べて固いので刃先がヘラのような効果を出すにはグレーバーでは非力だったようです。今日は刃先を研ぐばかりで終わってしまいました。
問題が解決したので後は集中して練習に専念します。
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昨日埋没した物が固まったので今日は仕上げまで一気に作業を進めます。
埋没した鋳造リングを電気炉に入れて半日ほど加熱します。900度の温度まで一気にあげず、徐々に温度を上げていきます。なぜかというと埋没したワックスを溶かして湯口から流れ出させペンダントの形の空洞を作るわけですが、一気に温度を上げるとワックスが沸騰して埋没材とワックスの密着していた表面が荒れて鋳肌が汚くなるからです。ワックスを沸騰させずにゆっくりと溶かしていきます。900度の温度まで上げてから2時間ぐらい保持してワックスを完全に焼却させます。
完全に焼却した鋳造リングを鋳造機にセットします。地金が溶けて鋳造するタイミングがけっこう難しいものです。
鋳造して表面に付着した埋没材を完全に除去するとキレイなプラチナのペンダントの形が出来ました。後はチェーンを通す金具と石を留めるための爪を溶接して仕上げます。
PT900 3.5g
キレイに石も留まって出来上がりです。
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リフォームの依頼を受けました。形見に受け継いだブレスレットの石を使ってペンダントトップを作るという依頼です。出来上がるまでの手順を説明します。
何種類かデザインを書いた中からデザインを決めていただきました。画像はイラストレータで実寸大に書いています。それを少し拡大してブログに貼り付けております。
ワックスというロウソクのロウの固まりのような物から原型を削り出すのですが、手作業で削り出そうかどうか迷ったのですが今回は3Dグラフィックソフトで原型のDXFファイルを作り3D切削マシンで削り出しました。この方法はコンピュータの知識やソフトの使いこなすスキルが必要で、初心者なら何日もかかる作業ですが私の場合、3Dグラフィックは10年くらい前からいじっていましたのでこれくらいは朝飯前です。
こちらがワックス原型の出来上がった物です。裏側もしっかりと裏抜きしております。余分な地金を取り除き重さを軽くするために必要な作業です。
原型を埋没材という石膏の様な物に埋没します。このまま埋没材が固まるまで1日ぐらい乾燥させます。
今日の作業はここまでです。
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